臨床検査事業部では、検査結果の精度を保証するために、品質保証体制(QAS:Quality Assurance System)を確立し、集配から結果報告までの業務、検査方法の採用あるいは変更、基準範囲の設定について、それぞれの管理基準に基づいた総合的な管理を行っています。なかでも近年の標準化の動向に注目し、当センターにおいても具体的な行動として、標準化に沿った測定方法、単位、基準範囲の採用に前向きな取り組みをして行く時期と考えています。
検査データは、測定上ある程度のバラツキを生じます。そのバラツキの大きさの把握、誤差の改善を目的に精度管理が行われています。
精度管理方法は、内部精度管理と外部精度管理に大別できます。内部精度管理は同じ検体を繰返し測定したときどれほど同じような測定値が得られるかの再現性、すなわち精密度をみるものです。一方、外部精度管理は同じ検体を、参加希望する施設に配付して、参加施設が施設間の平均値あるいは目標値にどの程度一致する測定値を得ているか、いわゆる正確度をみるものです。
臨床検査の誤差要因は、検体採取から検査結果報告までのより広い範囲の工程にあり、ステップ全ての段階の成績管理、いわゆる総合成績管理(Total Quality Control)が必要です。また、近年では、病院・病院あるいは病院・診療所間で患者紹介が積極的に行われるようになり、検査データも交換情報の重要なひとつになっています。そのためにはどの検査室の測定値も同じような数値、結果で、互換性のあるものでなければならず、このための成績管理も必要です。
検査成績の統一化を図るには検査工程の標準化が必要であり、諸団体でこれに向けての取り組みが行われています。身近な動きとしては愛知県、愛知県医師会、愛知県病院協会、愛知県臨床衛生検査技師会を中心に愛知県臨床検査標準化協議会を平成15年5月に立ち上げ、標準化、施設間差是正への取り組みが始まりました。
以降のページで当センターが取り組む成績管理の概要をご紹介します。